こんにちは。院長です。
今週は、高齢者の腰痛について、シリーズで書いていこうと思います。
どの年代でも、腰痛に悩まれている方は多いかと思います。
疲労などから起こる軽度のものから、動けないくらい重症なものまで、
一様に「腰痛」と表現しますが、その痛みの原因や症状は多岐に渡ります。
このように、様々な原因が考えられる中で、特に高齢者に多い例としては、
「退行変性疾患」(たいこう へんせい しっかん)というものがあります。
これは、加齢によるもので、大きく分けて3つに分類できます。
①変形性腰椎症(へんけいせい ようついしょう)
特徴としては、慢性的な腰の重だるい感じ、つっぱり感などがあります。
朝起きた時の腰痛が強く、体を動かすうちに、徐々に軽くなります。
夕方になり、体が疲れてくると、また痛みが出現します。
安静にしていると、痛みは軽くなります。
腰が後ろに曲がってくる症状が顕著にみられます。
これらの特徴に当てはまる場合、変形性腰椎症の可能性があります。
②腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさくしょう)
特徴としては、お尻から足に痺れが強い症状(しびれ・いたみ)があり、
腰痛(腰のいたみ)は少ない場合が多いです。
歩行により 足の痛みが強くなり、立ち止まる・前かがみになるなど、
体を休めると痛みが消え、また歩けるようになります。
ただ、長時間立ち続けるだけでも 足に痛みが出る場合があります。
腰を後ろに反らし、痛い方へさらに側屈させる(身体を傾ける)と痛みが強く出ます。
これらの特徴に当てはまる場合、腰部脊柱管狭窄症の可能性があります。
③骨粗鬆症性椎体骨折(こつそしょうしょう せい ついたい こっせつ)
特徴として、転倒した時 または転倒後の腰痛の場合は、骨折を疑います。
しかし、転倒など思い当たる節がなくても、発症する場合もあります。
体を動かす時がとても痛く、安静にしていると痛みは軽くなります。
転倒による腰痛の場合、骨粗鬆症性椎体骨折の可能性があります。
以上、「退行変性疾患」についての説明でした。
次回は、腰痛なのに腫瘍?!「腫瘍性疾患」について、お話しします。